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​欠け合わせデスク

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多様な使い方に合わせてレイアウトな組み合わせデスク

左近山団地の商店街の一角にある左近山アトリエというカフェの内装設計のプロジェクトです。設計依頼を受けたカフェは横浜市で活躍するランドスケープ事務所が運営し、カフェ営業の傍ら、左近山団地を盛り上げるための様々な展覧会やイベントを企画しています。そのため、多様な規模や種類の企画に合わせて可変できるフレキシブルなレイアウトが求めらました。また、設計当時はコロナ禍だったこともあって、出来るだけパーテーションを用いずに感染症対策ができる空間づくりが同時に求められました。

わたしたちは、550mm四方で一つの角が欠けている天板のデスクと、その斜辺の長さの四角いデスクを考えました。中央に四角いデスクを配置し、その周りに欠けているデスクを組み合わせると、1辺1100mmの大きな四角いテーブルになるように設計しています。

モノには方向性があります。方向性はわたしたち人間に対してのふるまいを決定づけます。例えば、四角いデスクは、中心があって四方から内側に向かう方向性があり、皆で向かい合って会議したり、作業したりする場になります。四角の一辺が欠けていたら、中心がずれてL字の方向性になり、向かい合うことなく直角に座り合うでしょう。

モノにはスケールがあります。スケールは、同様にわたしたち人間に対してのふるまいを決定づけます。例えば、小さなテーブルだったら友達と仲良く話す親密な場になるし、大きなテーブルだったら知らない人でも同じテーブルに座れるかもしれません。

わたしたちは、この二つのモノの性質を利用して、欠けているL字のデスクと四角のデスクを組み合わせることで、かなりのバリエーションの方向性と距離感を作り出すことができるのではと考えました。時にはバラバラに配置されたり、時にはくっついて大きな四角いテーブルになったりと、必要に応じて様々な方向性や距離感を持ったレイアウトに可変します。コロナという一過性の社会問題の中で、モノの方向性と距離感という普遍的な性質に着目することで、これからもずっと変わり続ける社会やカフェの使い方に順応できるデスクを考えました。

LOCATION 神奈川県横浜市旭区 左近山アトリエ
DATE 2021
STATUS 竣工
TYPOLOGY カフェ内装

PERSON 長岡稜太
PHOTO nata studio

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